虫歯になりやすい部位は大きく分けて、①噛むところの溝、②歯と歯の間、③歯と歯ぐきの境目です。
このうちの①噛むところの溝を樹脂で埋めてしまう処置をシーラントといいます。
当院ではフッ素除放性(徐々にフッ素を放出する性質)のある白い樹脂で、歯の表面を清掃、薬剤処理をした後に歯を削ることなく溝を埋めます。
特にシーラントに有効なのは、萌出したての永久歯、乳歯です。生えたばかりの歯は歯質が弱く虫歯になりやすいのです。当院では6~7歳くらいで奥歯に6歳臼歯が萌出していればシーラントを推奨します。
シーラント処置をするのに年齢制限はありませんが、保険で認められているのは、初期の虫歯と診断された乳歯、生えたての永久歯です。
また、シーラントは永久に持つわけではありません。すり減ってきたり、かけたりしますので、シーラントをやり直したりと、検診が必要になります。お子様にもよりますが、おおよそ2~3年くらいは持つだろう思います。
費用は初診、再診時で違いはありますが、上下左右6歳臼歯にシーラントを4本した場合、3割負担の計算で1本500円前後の負担金となります。
歯周病の直接的な原因は歯の表面についた細菌の塊です。
口の中には300~400種類の細菌がおり、そのうちの約1割が歯周病を起こすといわれています。
健康であれば、歯周病の原因菌がいても、その人が持つ免疫力(抵抗力)でバランスがとれ、発症しません。しかし、細菌が急激に増えたり、疲れや風邪等により体の抵抗力が弱っている時に歯周病を発症します。
上記の中でも、全身の危険因子として代表的なものは喫煙と糖尿病です。
糖尿病患者さんでは歯周病の罹患率が上昇し、特に血糖コントロールが悪い場合は重篤な骨吸収を伴う歯周疾患に罹患する例が多く認められます。
一方、歯周病が糖尿病を増悪させる危険因子となる可能性も示唆されています。例えば、歯周治療によって歯周組織の炎症・口腔機能が改善した結果、HbA1c(糖化ヘモグロビン)等の数値が改善する場合があります。
また、最近では歯周病と心臓病との関係も大きなトピックになってきているようです。
今年になって日本糖尿病協会と日本歯科医師会が連携して、糖尿病と歯周病の関係を学んだ歯科医師を登録する制度を始めました。私も登録しております。今後は糖尿病患者さんが歯周病を疑った時に歯科医の紹介を受けたり、歯科医が糖尿病治療の必要性を感じた場合、専門医に紹介するといった連携が出てくると思われます。
口の中の2大疾患といえば”むし歯”と”歯周病”です。
歯周病は最も多い感染症としてギネスブックに記録されています。
歯周病とは放っておくと歯を失ってしまう、歯ぐきと歯を支える骨(歯槽骨)の病気です。
健康な状態は、歯槽骨が歯茎の表面から1~3mmのところにあり、歯の根をしっかりと支えています。
歯周病のなり始めは、歯茎に炎症が起きます。いわゆる”歯肉炎”と呼ばれる段階です。
歯肉炎はまだ歯槽骨は健康なので、この時点で治療をすれば元の健康な状態に戻ります。
しかし、歯肉炎は痛みを伴わず、放っておくと悪化して”歯周炎”になり、歯槽骨が溶けていき、同時に歯茎もやせていきます。そうなると歯を支えられなくなって、歯が動き出し始め、最後は抜けてしまいます。
・少数歯欠損(歯を1~2本、失った場合)
従来の治療法としては、欠損した両隣の歯を削って支台として、歯をつないで被せる固定性のブリッジという方法が一般的です。
インプラント治療は、歯を失った部分のみの処置ですみますので、隣接する歯をまったく削る必要がありません。これは大きなメリットといえるでしょう。両隣の歯にも負担がかかりません。
・多数歯欠損(失った歯が何本もある場合)
従来の治療法としては、残存している歯に金属の止め金を引っかけ、アクリル系やプラスチックの床(ピンク色の部分)に歯を並べる、取りはずし式の部分入れ歯が一般的です。
インプラント治療により、取り外しのわずらわしさや、異物感、食べたものがはさまりやすいといった入れ歯の欠点をおぎなってくれます。
口の中がスッキリとし、本来の自然な運動が蘇ります。
また、製作された人工の歯もぴったりと固定されますから、固いものでも楽に食べられるようになります。
・歯が1本もない場合
従来の治療法としては総入れ歯となります。
総入れ歯は特に下あごの場合、安定しないことが多く、食事や会話により大きく口を開けると浮き上がってきてしまいます。
インプラントを2~4本埋入し、そのインプラントに磁石等で維持を求める方法です。
基本的には従来の総入れ歯同様、取りはずし式となりますが、顎の骨と固定させるため、従来の総入れ歯と比べ義歯の安定度が違います。
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